038832 ランダム
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†Glorious Revolution†

†Glorious Revolution†

無色

「君を色で表すと?」

随分前に、僕に投げかけられた、この疑問。

色?また変なことを訊くんだね。

笑いながらも、僕はそっと考えた

そんなこと、考えた事もなかったから…

難しいね。

投げ出したようにそう言うと、君はふっと微笑んで、

僕より先に何色か、答えを言ってしまったね。

「今のあなたは無色なの。」

無色?僕には一つも色がないの?

戸惑うようにそう訊くと、君は少しだけ俯いて、

恥ずかしそうにこう言った

「だから何色にでも染まれるの。」

無色だから、何色にでもなれる。
何もないから、これから何にでもなれる。

君は僕にそう言った。

綺麗にも、よごれた色にも染まれる。
だからあなたは無色なの。

そして僕のとなりに座ると、

思い出したようにぽつりと言った。

 
 「汚れたあなたにならないで、
      綺麗な色に染まってね。」

 


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